あなたの会社の財産は眠ったままになっていませんか
2019.04.15岡村 衡一郎
会社の財産は古びたものになっていませんか。
未来に生かせるはず財産が、博物館の展示物ように昔の話になっていませんか。
私はクライアント企業の方々がイノベーションをチームで興すサポートを仕事にしています。
今まで150 社 1000 人の未来創造を支えてきた中で「自社ならでは」「自分ならでは」を上手につかめるか否かが、成功を左右すると痛感しています。
自社や自分の未来を考える時、流行を研究してみたり、他社の取り組みを参考にしてみたり、答えを外に求めに行く方に比重をかけていれば、頭でっかちのプランができあがります。
流行りを考える。繁盛企業の取り組みをまねてみる。
これらがダメだというのではありません。
自社、自分ならでは展開のし方が曖昧ならはやりや他社事例を発展的な活用は難しいでしょう。
変化が上手な企業、会うたびに新鮮さを感じられる人ほど、自社、自分の一丁目一番地を大切にしています。
どこから来て、これから何を付け加えて、どこに飛ぼうとしているのか。
「ならでは」の発展シナリオの出発点になる「どこから来たか」のつかみが深いのです。
つかみが、深ければ深いほど、未来への情報をひきつけるマグネットは強く働いていきます。
私は、イノベーションを成功に導くための伴走を、自社、自分に既に持っている財産の掘り起こしを、過去から今までの時間をタイムスリップして映像でみたような感覚になるまで行ないます。
自社、自分はどこから来たか、何をつかって局面を乗り越えてきたか。
これらの掘り下げが、これからの自社ならではの展開を広げていくための一丁目一番地を確定していくからです。
一般的にヒトモノカネに会社の財産は分けられます。
その中で財産の掘り起こしは過去売れたか今売れている商品から考えていくのがいいでしょう。
ヒトを中心に考えれば創業の精神のような概念的なものに、カネを中心に考えれば具体的な対象の特定につながりにくくなります。
商品を窓に財産をみていくのが含み越えのアクションを導くのです。
例えばブドウの良さを含んだ上で新しいものに変えていくブドウがワインになる過程はイノベーションと似ています。
自社の財産、すなわちブドウは何なのか。
この問いに対する答えの共通認識は、今までの自分たちを含み、乗り越えるアクションを取る上で外せない。
自分たちのブドウという財産に気づければワインという新たな財産がつくれる可能性は高まる。
お客さまに貢献してきた歴史を商品という窓を通じてみていくことでブドウすなわち財産がみえてきます。
創業以来培ってきた外国人を喜ばせられる技能に着目して日本の美意識が体感できる時空間としてリブランディングを成功させたパークホテル東京。
あなたのいつまでも、創業の原点に返って、予防比率 7 割の全国トップクラスの歯科医となったあいデンタルクリニック。
彼らがオンリーワンの輝く存在に飛躍した取り組みの根っこに会社の財産を再認識し、強みを腹に落とした上で、未来を開くためのトライ&エラー&フィードバックの繰り返しがあります。
【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 082」2018.3.23】