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COLUMN

いい会社づくり通信

中古住宅・販売から中古住宅・工房へ

2019.04.22岡村 衡一郎

 中古住宅にあえて「工房」という名前をつけているのには理由がある。
工房には、お客さまのこだわりや理想とする生活を中古の住宅をベースに形にする意味が込められている。

 お客さまが商品を購入する際の制約条件は予算にある。
限られた予算で最も好みに合うものを購入しようとするが、住宅の場合、建物と土地込みで 1000 ~ 1800 万円では理想を織り込むことができない。
注文住宅なら 2500 万円はしてしまうし、売り手である不動産さんやハウスメーカーにとっては、低価格に位置する商材だから親身な対応をしてくれるのは少ないのが実情である。

 アルミック中古住宅・工房は、欲しいと思う家が買えず、売る方ももうからないという状況に一石を投じる。
工房としてお客さま一人一人に合わせて中古住宅をアレンジして予算内で夢をかなえ、独自のリフォームでコストをつめて利益が出せる販売方法を確立したのだ。

 以前のアルミックは中古住宅販売だった.
仕入れた住宅に最低限のリフォームをして売るというビジネスモデルを回していた.
「中古住宅販売」から「中古住宅・工房」へ、独自の路線へとかじを切るきっかけをつくったのは、予期しなかった失敗がある。

 購入してから 1 ~ 3 年たったお客さま宅に訪問してみると、洋室を和室に変えて使っていた人もいれば、ガレージを改装し趣味の部屋にしている人もいた。
中には新品のシステムキッチンを入れたのに多機能キッチンに取り換えている人もいた。
最も驚いたのは、当初、予算がないと言っていた人の半分以上がリフォームをしていた事実だった。

 万人受けすることを考えた結果、面白味のない住宅を販売するのはもうやめよう。
中古住宅プラス工房だからお好みの家に安価で仕上げられます、と言い切れる商売にする。

 工房になることを決めてから販売までの時間はかかるが、うれしいことが増えている。
お客さまに家を引き渡す日、握手を求められ「天窓のある家に住みたかったの、本当にありがとう」と感謝の言葉をもらったり、「5 年たったら子ども部屋をつくってください」と約束をもらったりと、以前のような、中古住宅対ローコスト
建売住宅という、競争の中では味わえなかった仕事冥利につきる瞬間が増えている。

 アルミック中古住宅・工房が目指す姿は、中古住宅だからこそできる価値を届け「理想に近づける家づくりの伴走役」だ。
松・竹・梅の工房の展開で一定の予算でより豊かな暮らしを望まれるお客さまのさまざまな欲求をかなえている。
梅は、壁の色、床の色にお客さまの好みを反映する。
松は、趣味の部屋などの間取り変更から一つ一つお客さまの要望をかなえるまで。
松でもゼロからの注文住宅と比べれば 6 割から 7 割以内の予算におさえられる。

 天井には天窓をつけて、青い色を塗ってしてほしい、床は無垢で、キッチンはタイル張りのワクワクするものに。
シューズボックスは大きめのもので、ガラスの扉で明るい玄関にしてほしい。
売り手と買い手のメリットが交わりにくかった予算帯での希望の住宅が工房つきの中古住宅だ。

 独自仕入れ、生活導線を考えたデザイン、一人二役の工事、これらの武器を磨き、他社ができない、お客さまの理想を形にしている。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 083」2018.4.6】