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COLUMN

いい会社づくり通信

中間インデックスの設定が知恵を束ねるチーム力を高める

2018.03.26岡村 衡一郎

 いいチームには「結果系」と目標の一つ前に業績をつくる「原因系」の中間インデックスがある。
売り上げにつながる要素にブレイクダウンされた共通言語を持っている。
互いの努力がかみ合わない現場は、結果系の目標があるだけの状態になっている可能性が高い。
達成に至るため何に努力をすればいいのか、アクションを束ね成果につなげる焦点が不明瞭になっているのだ。

 意見がかみ合う本部と現場になるためには中間インデックスが必要不可欠なものだ。
売り上げ結果に向けブレイクダウンした要素がなければ意見がかみ合わない。
おすすめの要素は、お客さまから見える、商品、売場、接客、販促の四つに分ける。
そして売り上げ=商品力X売場力X接客力X販促力の公式を下敷きに、チームで要素ごとに対策を立案していく方法である。

 対策立案の優先順位は右から左へ、商品力が1番目で販促力は4番目となる。
どんなにいい販売促進の手法で売れたとしても、商品力がともなっていなければリピートには至らない。
商品力があってもお客さまに届いていないなら売場での商品の価値が伝わる対策をする必要がある。
各要素に落とし込んだ対策立案の習慣がなければ、接客力に焦点があたり「頑張りが足りない」といった精神論的な問題解決に走りがちになる。

 最も貴重な資源である人は大切に生かしていくためにも、商品力や売場力での課題を扱った上で入っていくのが得策だ。
お金のかかる販売は、商品と売場、そして接客の課題が程度クリアになってからでないと費用対効果は合いにくい。
チームで成果を出す現場は、中間のインデックスの効果的な活用を通じて、業績につながる原因に手が打てている。

 ある小売のスーパーバイザーは、人、売場、商品、販促の四つの要素で施策を店舗スタッフと共有してから、打ち出した取り組みを現場に定着させることが上手になった。
彼女が気になる順番にならべたインデックスは、現場へのリクエストの優先順位でもある。

 店舗スタッフと取り組む事柄を、まず人の状態、オペレーションの質向上から入る。
次に売場づくりを確認して、投入する商品を地域性や売れ筋を加味しながら一緒に決める。
オペレーションと売場が整い、売りたい商品が決まった状態で、販売の後押しをするから本部と店舗のチーム力は向上し同じ時間の話し合いで成果につながる仕事に変えられたのだ。

 以前は店舗への指摘事項は笑顔が出ていないとか、おすすめが不十分で客単価が低いとか、表現に表れる問題への対処が多かったという。
言われている店舗から見れば、できないところを言われている感覚が残るだけであったになっていただろう。
互いに一生懸命だが業績向上につながる原因を作りきれない上体に十分に手を打てていなかったのだ。

 自社の業績をブレイクダウンした要素は何が適しているだろうか。
前記の公式が参考になれば使ってほしい。
SVのように気になる要素を書きだして、優先順位でならべるのも効果的だろう。
結果目標や表面にあらわれる問題への対処では、本部と現場は離れていく一方だ。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手 027」2016.12.23】