03-5420-6251

ご相談窓口/9:30〜18:00

COLUMN

いい会社づくり通信

そもそも合宿のすすめ

2018.04.02岡村 衡一郎

 スタンドプレーが歓迎される信頼感、プラスワンのアクションをとった人が称賛される雰囲気がなければ、サービスは規定路線の枠を超えることはないだろう。
お客さまへ一歩近づくアクションにエールが送られるか、それとも、ラフプレーとして煙たがられるのか。
良いかダメかを分けるのは組織の価値観である。
社員間で共有されている判断基準が評価を分ける。

 トヨタ自動車の「『徹底的な』改善」は、世界一を目指した勝つための改善がメインで、他社に負けないための改善はサブであることを表す。
他社に負けない改善はリーダーの仕事ではない。
既定路線の取り組みでは到達できない世界一がゴールにあるからスタンドプレーは歓迎される。
現場から出てくる知恵に皆が真摯で「まずやってみる」に重きがおかれる。

 サービスでも製造業でも質の高いチームになる条件は、目指す方向感の共有と「まずやってみる」を歓迎する信頼感の醸成である。
サービス業は人の連携が主軸になるからこその工夫がいる。
目に見えるもので共有できる製造業以上にバックアップの仕組みがいる。
人のあいまいさを前提にイノベーティブな雰囲気をつくる仕掛け、時間のデザインが必要なのだ。

 日々の中で目指す姿を確認する。
昨日のトライをたたえる。
これらの機会に朝礼がなっているのが、変化に強い現場のバロメーターと言える。
そもそも何を目指して仕事をしていくのか。
現場でうまくいった、いきにくくなってきたことを確認して改良点をあぶりだすのが日常になっているから、部分としての朝礼の時間が、変化のために機能しているからである。

 ほとんどの朝礼は売り上げ確認やクレームで終わる。
変化の場として機能することは少ない。
違うサービスへシフトアップするために、今までの自分たちへの区切りと新しい自分たちになるための始まりを地続きの時間の中につくれてないから日々の仕事が作業的に流れていくのだ。
サービスをシフトアップするための時間のデザインが、おそろかになっているのだ。

 私は一定期間の区切りに、例えば2016年から2017年の区切りなどに「そもそも合宿」と称して、クライアントのチームのメンバーとあえて日常と離れた場所で長い時間を確保して話し合いを行なっている。
仕事を通じて、互いに変化促進ができるチームになるためのバックアップの仕組みとして、トコトン今までを振り返り、腹を割って未来像を描くため山にこもる。

 合宿のアジェンダはないくらいがちょうどいい。
あいまいなものはカチッとしてタイムテーブルには適さない。
1日目、現場情報を出し合う。
2日目、改良点をあぶりだす。
3日目、目指す姿を描き直しどうかかわるのかを明確にする。
飛躍はイメージ共有と一人一人の変化行動の力点の重なりが欠かせない。
過去現在未来の話し合いがバックカップの仕組みになる。
人というあいまいで貴重な資源をつなげイノベーティブなチームになる媒介は「そもそも」の確認にある。
日常とは別の時間軸での「そもそも合宿」は、今までの自分たちに区切りをつけ、これからの自分たちへシフトへの起点をつくる。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手 029」2017.1.20.27】