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COLUMN

いい会社づくり通信

パソナ・地方創生の取り組み ⑵

2021.12.17岡村 衡一郎

 前号に引き続きパソナ・地方創生の取り組み・淡路島について触れていく。
ストックのフロー化という側面から考えれば、多くのホテル・旅館の活性化の切り口になるだろうし、働く人の多様化も、サービス業の方々がいきいきと働けるヒントがあるように思う。

 先日、とあるホテルの活性化について、異業種の経営者を交えて話し合う機会があった。
その時の周りの経営者から、そのホテルに関する活性化に対するアドバイスを集約すると三つが挙げられる。
一つ目は、長年営むホテルの名前を知らない人はいないということ。
二つ目は屋根がついたスペースがあるということ。
三つ目は、接客レベルが高いということであった。

 言われてみれば当たり前かもしれないが、これらの3点を集約すれば、あらゆる用途に場を生かしていくことが可能になる。
ミニイベント、マーケット、見本市、市場、各種交換会、大型の婚礼や宴会ができない中で、知名度がある=変なことはしないという信用があるホテルが、セレクトするものであれば勝算があるのではないか。
加えて接客レベルが高いスタッフばかりなのだから、何でもできるということであった。

 一番ピンときていないのがホテルの経営者であったが、異業種の経営者からは、なぜやらないのかが不思議というニュアンスが漂っていた。
自分の得手ほど気づけないものなのだろうか。
淡路島の人たちにとってはパソナも、当初はよそ者であった。
だから知恵が出る。
もったいないことに気づけるのかもしれない。
パソナ・地方創生の取り組み・淡路島の取り組みに話を戻していこう。

 淡路島地方創生体験ツアーで 3 番目に訪れた場所は、公園内アトラクション「ゴジラ」であった。
なぜ「ゴジラ」なのか。
違和感がある方もいるだろう。
「ゴジラ」を選択した理由は、日本が誇るキャラクターの一つだからだそうだ。
ハローキティーやドラゴンクエストも、世界の人たちから選ばれるコンテンツかつ日本を代表するコンテンツだからこそ、が理由という。
地方から世界に。
世界から淡路島を目指すためのキーコンテンツの位置づけだ。

 4 番目に伺ったのが、パソナ直営レストランと演劇ホールだ。
三つのレストランの横に演劇ホール。
この組み合わせにも意味があった。
演劇の指導者には元劇団四季の方を招いている。
そして、演劇とレストランのハイブリットで仕事をする人。
オフィスワークと劇団員を兼ねる人がいる。
こちらも、一つの選択肢だけではない仕事のモデルとして提示している。

 私は、4 番目の施設で宮沢賢二が、農民に芸術をと、奮闘していたシーンを思い起こした。
誰だって、一つの仕事をずっとしていれば、マンネリになっていく可能性が高い。
芸術との組み合わせは、仕事でつくっていくもの、もちろん商品だけでなくサービスも、その人の作品であるという認識をもたらすのだと思う。
すべての仕事は芸術作品だととらえることができれば、仕事の価値に敏感になるだろうし、細部に分かるつくり込みが、自然体でできるようになっていくだろう。

 5 番目に伺った施設は地方創生の一号店、野島小学校跡の「野島スコーラ」。
この施設はパソナ地方創生の原点になる。
次号へ続く。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 236」2021.9.10】