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COLUMN

いい会社づくり通信

2021年変革へのロードマップ⑶

2021.10.20岡村 衡一郎

 前回に引き続き、2021 年変革のロードマップ図表 1 について触れていく。
前号でも、お伝えした神奈川県の風光明美なキャンプ場は、オンリーNo 1 の商品・サービスを核に自社集客をするエリアを決めて、二つの客層に向けて展開している。
エリア内でのほかの施設よりも優位性があると言い切れるまで磨いてきているサービスである。

 しかし、ここで終わってしまっては、サービスがよいキャンプ場止まりで、レジェンドの仲間入りはできないだろう。
自然の中で過ごすこと、そのキャンプ場に行ったことで、新たな認識が生まれるというレベルまで達して、リクリエーション施設の本質的価値が全うできるからだ。
リクリエーションは、リ・クリエイトであり、ジャスト・フォア・ファンでない。

 自然から〇〇を学んだ。
風景を見て感じたことがある。
今の自分に気づけた。
これらのような認識の変化まで、何らかの好影響が与えられるまでの存在になれれば、利用者の気づきは毎回促され、何度来ても発見があるという、付帯施設からだけで
は提供できない価値に変わっていく。

 キャンプ場のことを中心に書いているが、四肢構造ができるというのは、全業種の、主に接客技能と考えてもらえばいい。
四肢構造の先に、全人格的瞬間関係を置いている。
目の前のお客さまがピンと感じる関係を、相手に合わせて瞬間的につくり上げられる技能である。
私もコンサルタントという仕事柄、日々、四肢構造から全人格的瞬間関係をつくれるように努力している。
私と触れ合った後に、相手が何か新しくなり、おだやかになり、やる気を引き出せるようなかかわりを意識して取り組んでいる。

図表 2 が四肢(四つのかかわり)を示したものである。

図表2

右側に自分、左側にお客さま(相手)を取り①頭感(頭と頭のコミュニケーション)、②映感(相手の身体にアプローチする)、③痛感(相手の身体からのシグナルを受けた返し)、④共感(体と体で分かり合えるような関係の四つの関係があることを示している。

 ほとんどの場合、①の関係で、目の前のお客さまとの関係、コミュニケーションを終えていないだろうか。
①では相手との関係は浅いままだ。
先ほどのキャンプ場では、相手の話を聞きながら「自然は〇〇を教えてくれるのです」と、相手の腹に投げかけるようにアプローチをしてみたり、ゴミ出し方がいいかげんな人には、 本当に怒ってみたりと、自然をフルに体感的に、 接客に生かしている。

「オンリーNo 1」の商品は、そんな接客をしてくれるところだからこそ、次の商品のイメージが見えてくる。次号へ続く。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 210」2021.2.19】