相手の10年先20年先を考える会社だから人は集まり人が輝く
2020.07.13岡村 衡一郎
若い人の採用が難しい。
採用できても意見を言わない。
どうかかわっていいのか分からない。
そんな一般論とは無縁の会社が広島にある。
美容業、スクール、保育園、コールセンターなど、事業を幅広く展開するCREATIVE LAB HOLDINGS(クリ エイティブラボホールディングス)には、人が集まり、未来を語りあう、そして、人が辞めないことが理想のスタイルだ。
サービス業は人がすべて。
そんな常識論を人の成長を応援することで感動のサービスに高めていく取り組みを、本当の意味で展開している企業は、めずらしいのではないだろうか。
CREATIVE LAB HOLDINGSの採用ホームペー ジを飾る写真がある。
写真の下には、田中さんの、こんなコメントがある。
「この会社には自分自身を際限なく成長させてくれる環境が在り、共に成長したい仲間が多くいます。
皆さんの理想とする未来を超える未来を提供できるようこれからも成長していき たいと思います」。
田中さんは、レセプションの仕事から広報に移り、現在は採用と育成の責任者をしている。
彼女の仕事を楽しんでいる魅力が、多くの若手社員を引き寄せていくのだが、決して田中さんは特別な存在ではない。
CREATIVE LAB HOLDINGSに所属する社員の多くが、そうなっていくのだ。
社員の成長を支える根っこには、「女性が長く働けて、輝けて、安心できる環境をつくる」という理念がある。
赤井社長には隠れた思いがある。
赤井社長の祖母はあおぞら美容室を経営し地域への援助をしていたという。
地域の人にとっての「あおぞら」になるために時に経済的な面も含めてかって出ていた。
少年赤井社長は、祖母の後ろ姿から、地域と事業のお手本、技術をもった人の輝きと同時に技術職としての限界点も感じていたのだろう。
人がサービスをつくる事業に共通する悩みは、第一線でフルに動き回れる体力的な壁や、一人で戦い続けることの辛さである。
CREATIVE LAB HOLDINGSには、その人の10年先のキャリア、20年先のキャリアを、相手以上に考える社風があり 仕組みを整えている。
赤井社長の商売の原点からくる、人に対するやさしさが原動力になっているのだ。
美容業から保育園への展開も、社会にでて活躍を応援したいという思いからはじめた事業。
スクール事業は技能を磨き続ける仕組みとして。時間や体力などの制約の中でも働き続けられるようにと考え抜いた結果が、コールセンターの開業につながった。
採用ホームページでの田中さんのコメント「皆さんの理想とする未来を超える未来を提供できるようこれからも成長していきたいと思います」は、働く人の未来を考えることで、人の成長と事業の発展を続けてきた背景から生まれているのだ。
その人の10年先のキャリア、20年先を相手以上に考える。
CREATIVE LAB HOLDINGSの10年後は、人が成長した分、事業の幅が広がっていくことだろう。
【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 139」2019.7.12】