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COLUMN

いい会社づくり通信

三つの合言葉が、よい社風のベクトルをつくる

2020.07.21岡村 衡一郎

 ㈱ISOWAには、三つの合言葉がある。
三つの実践を後押しする言葉が、なんでもやってみるという、変化に最も重要なアクションを日常にもたらすのだ。
ISOWAは、日本で一番大切にしたい会社大賞の審査委賞を受賞、大企業メーカーに囲まれ、理系の採用激戦区の名古屋エリアでも、毎年、定期的に人材の採用をうまく行なっている。

 入社の理由は。
大手企業では、なかなかできないだろう、仕事のすべてにかかわり、社風づくりにもかかわれるという点に魅力を感じたという人が多い。
それにリクルート活動をしている少し年上の先輩たちの言葉や行動にも引かれるようだ。

 ISOWAで大切にしている言葉は三つある。
俺おれがやる。
協力する。
明るくする。
磯輪社長が、社長就任時に掲げた言葉は、ISOWAの武器にも、生きる上での指針にもなり、アウトプットされる商品からも、明るい社風を感じるまでに熟成している。

 三つの言葉は、一人称としての俺がやるがあり、三人称の仕事を進める上で指針がある。
それらが掛け算になって明るさという場の力が生み出されていくのだ。
ISOWAでは、俺がやると前に出ようとする人を放ってはおかない。
協力するという人が、部門に関係なく現れる。
そして、初めてやることには試行錯誤や失敗はつきものだが、暗くならずに明るい学びに変えていく。

 こんなエピソードがある。
入社3年目の技術者が、とある製品を任された。
なかなか設計に着手しきれていない中、先輩たちの図面を数日間眺めていた。
そこに入社10年目の社員が、過去の図面を参考にするな。
君が任された理由は、この図面の中にはない。
3年目の「俺がやる」を引き出すための10年目社員の「協力」であった。

 その日から二人の共同作業は始まる。
まずは、お客さまの現場まわりからはじめて、改良点をあぶりだしていった。
改良点を織り込んだ製品のラフイメージはできても、乗り越え方はそんなに簡単には見つからない。
過去製品のスペックは、それはそれで充分に練り込まれたものであるからだ。

 ならば視点を変えよう。
君が本当に欲しいと思うために不足しているものはないだろうか。
10年目の社員からの思いを引きだすアプローチは明るく続けられる。
半分のスペースでできたら、お客さまも喜ぶし、何なら倍のスピードまで上げられた鬼に金棒ですね。
3年目社員ならではの素朴だが、真をついた意見が口からこぼれた。

 倍半分でお客さまをびっくりさせる。
二人の作戦コードが決まった。翌日の開発会議でニューマシンのコンセプトを伝えると、面白い、行けるところまでやってみよう、もしダメでも、確実に現行品は超えられる。
翌週の会議で、一人一つアイデアを持ち寄るという結論で開発会議は終わった。

 いい言葉は掘り下げて、自分の行動に引きつけられれば、力になるものだ。
㈱ISOWAの俺がやる、協力する、明るくする、という三つの言葉は、仕事の流れを変え、人を成長させ、商品に感動をもたらす原動力になっている。
ニューマシンは半分までにはならなかったが、業界最高値の値で販売は成功した。
半分は、次の開発ターゲットとして引き継がれている。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 140」2019.7.19】