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COLUMN

いい会社づくり通信

どうすれば挑戦的な仕事が日常になるのか~イノベーション型組織への変革を図る勘所~

2020.02.05岡村 衡一郎

 挑戦的な仕事が日常になるには何がいるのか。
私たちが追求しているテーマです。

社員其々が、日々やる仕事を持っている中、日常業務にプラスして主体的なトライの要素を加えていく。
その先に変化を楽しみ、お客様も驚き、自分達の働き甲斐につながる。
これらを同時に無理なく実践できる風土体質を構築にしていく。
このような変化を日常にしていくための方法論について、完璧な形ではないかもしれませんが、お客様とのトライの中から、おおよその勘所が見えてきました。

 あるホテルは日々変化しています。
日本の美意識を体感できる時空間になる、と存在意義を定めて、熟成し続けているからです。
結果、リピートのお客様が訪れる度に、新しい価値提供ができる様になったり、日本の裏側、イタリアやドイツなどからダイレクトに予約してくるお客様も増えてきています。
直近ではホテルの枠をこえて、宿泊以外のお客様を2000名集めて独自のイベントを成功させました。

 ある製造業は生産高を5倍に伸ばし、現在10倍を目指していくことに仕事の楽しみを見出しています。
5倍や10倍を目指すのは単年度の取り組みではありませんし、上からの目標設定をうけて展開されたものでもありません。
自分達がすごいと言えるレベルを目指していくための近づけ目標として設定しています。
10倍を目指す過程で、一人ひとりの知恵やアイディアを生み出していく社風を手にしています。

 ある病院は地域の健康を本当にサポートしていくために何ができるのか、と真剣に考えました。
病気の人を見るのが病院でも、本当に必要なのは健康意識を高めていくことに貢献していくことであるという結論に至りました。
そこで「予防」という新たな切り口に注力していくと定めます。
そして、現在、一人ひとりの持ち味や課題意識をもとにサービス開発に着手しています。
一人二役で治療と予防に貢献する。
その中には砂糖を使わない料理教室やヨガを取り入れたボディメンテナンスプログラムなどがあります。

 3社の社員の其々には当然ながら日常業務がありますし、年度計画を持って達成しなければならない目標をもって仕事をしています。
しかし、それだけではないのです。
レコードにA面とB面があったように、A面では遂行しなければならないものを行い、B面では、宿泊業の枠を超える取組み、世界一の生産性を目指す取組み、予防から地域の健康を支えるという今までの線引きをまたいだ取組みをしています。

 彼らに共通するのは、変化を味方につけられるチームがあることです。
そして、現在の仕事と未来の仕事をわけずに、同時にハイブリットで遂行している状態の質が広く深くなっています。
日々のタスクは持ちながらも、その中に、新たなアイディアを加えていくことを応援し合い、やって分かったことから次の一手を共に考え、共に動かしていけるチームです。

 変化活動を立ち上げる一年前は、日常業務に追われ、部門の壁を感じながら、良くしたいとは思っていても、なかなか変えるアクションが取れていない状態にいました。
良くしたいと思っていても、なかなか動けない状態から、変化を味方につけて、新たな取組みを楽しめるチームになれた勘所の大きなところを4つ挙げるとしたら次のようになります。
 
一つは、お互いを知る、会社を知るなどを通じて、分業発想を抜け出せたことです。
一つは、結果目標ではなく、なりたい姿として意義のある目標を創出できたことです。
一つは、商品・サービスやテーマを、なりたい姿の実現の挑戦テーマにしていることです
一つは、変化を続けるための時間的投資を、宝探しの時間として確保していることです。
 
 これらは変化が起きにくい状態、取組み事例の逆にある状態を考えていただければ、よりイメージがつくと思います。
ホテルは泊まるところだ。
年度目標を達成すればいい。
医者は病気を治すのが仕事だ。
これらの仕事を進めていく前提が強く働ければ働くほど、今までの仕事の繰り返しが中心になった運営モードに陥りがちです。
変化を味方にしにくい経営になっていくのです。
 
 誰もが一生懸命に仕事をしているけれども、挑戦的な仕事がなされない。
この状態から抜け出し挑戦的な仕事が日常になされるイノベーション型組織への変革を図る勘所は、上記の4つ以外にもあるかもしれません。
しかし、分業発想から抜け出せるし掛け。
真の成果に向かうこと。
仕事のやり方を規定する商品・サービスや開発テーマに挑戦的なテーマを見出していくこと。
そして、人間関係のメンテナンスや会社の外側で起こっている変化を共にみる時間をつくることは、共通の原則です。
 
2月18日開催の「チームイノベーションセミナー」では、どうすれば挑戦的な仕事が日常になるのかについて、10社の取組み事例とメソッドからさらに詳しく紹介します。
そして、みなさんとやり取りをさせていただきながら、1社1社の変化を考えていきたいと思います。

▼チーム・イノベーションセミナー
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