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COLUMN

いい会社づくり通信

通いたくなる歯医者さんになる

2019.05.07岡村 衡一郎

 あいデンタルクリニックは「通いたくなる歯医者さん」として存在感を高めている。
といのうは 10 人中 7 人がリピーターの歯科医院なのだ。
7 割が固定客になった背景には、生涯自分の歯で過ごすための支援役を果たす、という院長とスタッフの約束がある。
そのために歯のメンテナンスサービスの品質アップに一丸になって取り組んできた。

 歯科医の商品・サービスは、治療と予防に分けられる。
高額の自費治療を強化している歯科医もあるが、医院長の浅野さんは、治療が終わったら患者さんが来院しなくなることの悔しさをバネに、逆を貫いている。
長年パートナーとして寄り添う「メンテナンス」を、来院と来院の間、患者さんの習慣の変化が成果だと、地域ダントツの品質に高めてきた。

 歯を治すのは歯科医の仕事、治療に達成感を持つ人もいる。
浅野さんも貢献実感はある。
ただ彼は治療したら手段としての自分が必要でなくなるということに、悔しさを感じていたのだ。
「あ」なたと「い」つまでも、という意味を込め、あいデンタルクリニックと名付けた人だから、生涯のサポートに対しての思い入れが違う。

 あいデンタルクリニックの取り組みを「予防医療のことだよね」で話を終わらせてはいけない。
自分たちの思想、通いたくなる歯医者になる、を具現化している「60 分メンテナンス」は、チームワークがあってこそ品質を高めることができるサービスであるからだ。
メンテナンスのリーダーはドクターではなく歯科衛生士の方々になる。

 歯科業界の暗黙のルールであると言っていいだろう。
ドクター中心のオペレーション、ドクターが司令塔になる縦の関係では、メンテナンスを中心にすえ高めていくのは難しくなる。
ドクターと歯科衛生士が目指す姿を実現するパートナー、目指しているものに対してフラットの関係にあるのは業界常識を超える。

 そしてメンテナンスの真の成果は来院中の施術への満足ではない。
患者さんが自分の歯の良い状態を保つための習慣を持ってもらえるか否かだ。
「歯は健康の入り口だ」と衛生士の松下さん。
「笑顔の源だ」と大本さん。「人生を左右するものだ」と熊谷さん。
一人一人が「歯とは何か」の哲学を持ち、患者さんと接する。
だからこそ患者さんの習慣にリーチできるのだ。

 このような信念を持ったスタッフ同士が、施術のブラッシュアップはもちろん、患者さんの生活を理解した上で有効なアドバイスをするにはどうすればいいか。
もっといいかかわり方ができなかったか。
こういった振り返りを毎日、毎日、行なってメンテナンスの質を見直している。

 あいデンタルクリニックは、敬遠されがちな歯医者さんの存在を、通いたくなる場所に変えた。
日本トップクラスの予防比率が存在の証し。
そして、歯をメンテナンスする大切さに気づいてもらい、虫歯になってから来るところだけではない「通いたくなる歯医者さん」を目指した改善に手を抜かない。

 患者さんが通う度に気づきや感動がなければ、通いたくなり続けるためのきっかをつくり続けることができない。
自分たちを日々新しくする。
これは、あいデンタルクリニックの皆さんが大切にしている仕事のスタンスだ。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 084」2018.4.13】