現場レポート コロナ禍の現実に立ち向かう人の声
2021.06.21岡村 衡一郎
私たちスコラ・コンサルトでは、コロナ禍の現実に立ち向かう人の声を集めて、小冊子にまとめています。
前回から数回にわたって、一部の声を紹介していきます。
前提が変われば取り組み方も変わる。
現実に立ち向かっていく際のヒントとなれば幸いです。
なお、小冊子をご希望の方は下記、メールアドレスにご連絡ください。
➡ okamura-kouichiro@scholar.co.jp
17「突っ込んでやろうぜ」
建設業 部長
ちょっと前から仕込んできた高単価へのシフト。
いくつかの好事例が出てきた中で、出鼻をくじかれた感じがしていました。
しかし、単価が高い安いなどとは、言っていられない。
すべてを受注して、すべてのお客さまに満足いただく。
前期のアッパーグレードへの取り組みが、形になり、お客さまに満足いただける仕上げができるようになった自分たちなら全部できる。
トコトン、全部、突っ込んでやろうぜ。
19「数字の向こうにお客さまの顔が初めて見えた気がした」
税理士事務所 スタッフ Nさん
クライアントさまから持続化給付金を受給できないかと問い合わせがあった。
昨年の売り上げと今年の売り上げを確認したところ、惜しいところで50%減少の基準を満たしていなかった。
それをメールで伝えたところ、すぐに電話がかかってきた。
「こっちは生きるか死ぬかなんだ! 簡単に言わないでくれ!」と。
そこで、もう一度内容を確認し、サービス提供時期と入金時期とのズレを修正すれば50%を十分クリアできることが分かった。
それをお伝えすると「ありがとう本当に助かった」ととても喜んでいただけた。
数字の向こうにお客さまの顔が初めて見えた気がした。
「地域を支えるビジネスの拠点として準備をしています」
フィールド事業 Fさん
こういう変化は、すでに以前からありましたよね。
今までの不自然なものが今回をきっかけに表層化している。
だから、今の出来事から一時避難するだけでなく、この先に向けて準備しておきたい。
地域を支えるビジネスの拠点として、いろいろ準備をしています。
例えば、消毒液の製造や、地域の人が隔離できる寮の準備など。
そして雇用を守るためにもチャレンジのとき、逆張りも始めています。
でも、妻からは、財布の心配をされていますが。
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建設業の部長からの発信は「全部やる」です。
もっと正確に言えば「すべてのお客さまに適した商品を提供できるわれわれだから全員のお客さまに役立っていこう」というメッセージです。
お客さま層を特定して戦略を立てるというセグメント発想は、以前のマーケティングの理論になっていると言えるのでしょう。
Nさんは、仕事の意味を、心底実感したようです。
リピートして くれるお客さまがいるから、仕事が成り立っているというのは、すべての業種業界にあてはまることだと思います。
いつも来てくれる、いつもいるから見えにくかった自分が果たすべき役割、今、ここでよりクリアに見えてくる真の提供価値を磨いていきたいものです。
もとの状態にもどっていかないだろう、と頭では分かっていても、実践が後手後手になってしまうものかもしれません。
Fさんは、一時避難でなく先の準備にかじを切りました。
三人の実践は、今感じられる未来を見据えた実践です。
【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 185」2020.7.24】