人財育成三つのキーワード「広く「」深く「」早く」
2020.03.16岡村 衡一郎
20代の社員に身につけてほしいもの。
30代社員に挑戦してほしいもの。
40代社員に新たな金字塔を打ち立てるべく身につけてほしいしもの。
ここに業種や業界に関係なく、共通する指針のようなものはないか。
人材育成にかかわらせていただくことが多い私のテーマとして、長年、考えてきた。
20代の社員には、まず、仕事を一通り覚えてもらって。
30代社員にはリーダー役を。
40代は、全体をみて必要な手を打っていく。
これらは、当たり前にあることで、それはそれでやってもらう必要がある。
ポイントになるには、それらの実践を一言で支えるキーワードだ。
延べ2000人とかかわってきて、それなりの成長実感を感じ取れるにようになってきたので、本号で整理して伝えていきたいと思う。
型破りという言葉があるが、この前提は、型を知り実践してきた人だから破れるという、意味合いが込められている。
型を最短で身につけていく上で障がいとなるのは、自分の好み、好き、嫌い、である。
特に20代の人にとって必要なのは、型の習得となるのだろう。
先輩の仕事をどんどん取っていくのが、成長に 効いてくる。
30代の仕事のイロハを十分に習得できている人には、自分なりの哲学の確立が必要だ。
そのためには、今の仕事を深めていくことが必要になるだろう。
型に自分の色を加えていく段階が、型の習得の次にある、と私は考えているからだ。
40代の、広いかかわりができて、自分なりの仕事の哲学ができ上がってきている人に、必要なのは、変幻自在により早く、状況に合わせた効果的効率的展開ができるようになる段階だ。
まとめていくと、広く、深く、早くという、成長段階を支えるキーワードに集約される。
20代での広さは、好みは好みであってもよいが、自分の可能性を妨げてしまうことも知りながら対処していくというベースにつながっていく。
30代では深く、自分なりの創意を仕事に加えていくことが変化をつくるという、未来創造への仕事の展開をできる人材となる構えが出来上がっていく。
40代での早さは、長年積み上げてきた型、その会社の独自技能の新たな展開となる、よき型破りの手本を見せていくことにつながる。
決して順番通りでないことも現実にはよくある。例えば、部分的には深く仕事ができている30代には、一つ前にかえりながら「広さ」を身につけてもらうように応援をしている。
このままだと、 狭い意味での職人になってしまうからだ。
40代で「広く」仕事はできているが、深さが足りない場合は、一点から深くすることを応援している。
社内でも、業界でも一番になれる分野を持つことが、成長の基盤をつくる。
部下の成長を応援していく際には、その人にとって、今、必要なのは広さなのか、深さなのか、それとも早さなのか。
広く、深く、早くを数値的に取られれば、何事にも広く付き合える人は売り上げを上げていけるように、深く付き合えるようになれば粗利が変わり、早く付き合えるようになれば、回転率に効いてくる。
回転率を上げられる人は、いい意味で、在り方、やり方を拡充していける型を持ち、自分の哲学を持った、型破りな人材でもあるのだ。
【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 124」2019.3.8】