この会社には売り上げという言葉がない
2019.10.21岡村 衡一郎
健康食品や化粧品に使う人の命を輝かせる力がある。
こと沖縄教育出版グループで健康食品と化粧品の通信販売を営むe-no(株)の、ひとつぶ(栄養補給のサプリメント)、玄米酵素、クレンジング水、保湿クリームは、愛用者にとっての元気の源である。
商品成分の良さはもちろんのこと、お客さまの悩みや目標をじっくりと伺い、お客さまが望んでいるところまでじっくりと伴走していくからだ。
「『ひとつぶ』があるから体の弱い私も家族でハイキングが楽しめる」、「敏感肌に悩み、いろんな化粧品を試してやっと『e-noシリーズ』を見つめることができた」。
お客さまから感謝のハガキば続々と届く。
仮に一枚一枚を重ねていったら1年間で10mくらいになるのではないだろうか。
何らかのきっかけで商品を購入いただいたお客さまとの関係は、電話やメールを介して深まっていく。
e-no(株)にとって、商品を購入いただくのがゴールではない。
お客さまの生活や仕事がより豊かになるために継続的に役立てることが目標だ。
だから会社には売り上げという言葉がない。
あるのは「お役立ち」という成果を図る独自のキーワードだ。
そして、お客さまへの電話のことを「ハッピーコール」と呼んでいる。
電話を介してお客さまのしたいこと(=仕たいこと)にこちらの仕事を合わせる。
お客さまと自分たちの仕合わせをつくるためのアクションが電話をする目的であるのを忘れないためである。
ある商品の新聞広告を手直ししている二人がいる。
金城さんが大城さんに改良案をぶつけて、大城さんは少しでもよくなるならと、ほぼ確定していた広告に赤文字を入れていく。
締め切りの8分前の手直しである。
ぎりぎりの作業にあるはずの二人の表情は明るい。
「ハッピーコール」で見えてきた、お客さまの「こうしたかったのが、ここにあった」というコメントを、まだ会えていないお客さまに伝えたくて仕方がないのだ。
お客さまのこうしてほしいを感じる。
こうしたいに応える。
これらは、お客さまだけではなく取引先の方や社員同士でも日々行なっている。
感動させようとか、喜ばせようとか、力の入ったものではないのだ。
私が伺った日に受け付け付近においてくれていた、「新刊おめでとう、というメッセージ。
私は一般的な定義ではお客さまではない。
「自分以外の人は全員お客さま」が、e-no(株)のお客さまの定義である。
内でも外側も、こうしてほしいを感じる、を自然体でできているから感謝のハガキは絶えない。
【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 106」2018.10.12】