可能意識によるディレクションで変化をリードする
2019.07.23岡村 衡一郎
仕事の見方かかわり方マップ(図表 1)の 4 分類で今の仕事の立ち位置を見るとどうなりますか。
縦軸は、ものの見方を、可能意識と現実意識、横軸は、仕事の進め方を、ディレクションとディーリングの二つに分けました。
理論上、可能意識を持ってディレクションをしている Aゾーン。
可能意識を持ってディーリングしている Bゾーン。
現実意識を持って、ディレクションをしている Cゾーン。
現実意識を持ってディーリングしている Dゾーンに分かれます。
可能意識とは「こうしたらできる」という視点を持って物事をみている状態です。
こうしたら、こうできればという視点を持って、少し先の時間から、目の前にある物事をながめています。
現実意識は「今をどうすればいいか」と過去から今までに身に付けた知識を持って、現状を見ている状態です。
ディレクションやディーリングは、次の定義と異なるものもありますが、私は次のように定義しています。
ディレクションは、自分がリーダーシップやオーナーシップを発揮して、最終的な意識決定ができる、
できないにかかわらず、物事にかかわっている状態です。
最終決定者であってもなくても、ディレクションの位置を取りうる、と私は考えています。
ディーリングは、ある基準に基づいて、過不足なく物事を進めていくために仕事にかかわっている状態です。
ABCD の 4ゾーンで、自分はどこにいるのか。
そして、ほかの社員の方々はどこにいるのか。
整地してみると、自分や全社の仕事が、どのように進められているかが見えてくるでしょう。
時間ごとに仕事ごとに、立ち位置と進め方は、変わってくるという意見もありそうです。
現実はそうかもしれません。
しかし、根っことしての位置はどこか、と考えていけば区分できると思います。
岡本工機㈱の衣斐課長と図表 1 で自分の立ち位置を振り返ってみました。
すると次のような言葉がでてきました。
「以前の私は Dゾーンにいたのかもしれない。
営業という立場は変わらないけれど、今は Aゾーンで仕事ができているように思う」。
衣斐課長は、器用な人で頭の回転も速い。
今ある能力を発揮しようと思えば Aゾーンにいかれる。
逆に消極的に発揮していけば、頭の回転が速く落としどころが見える分、Dゾーンに入りやすくなります。
Aゾーンにいる衣斐課長は、変化をリードする存在にいます。
たまに戻ってしまうDゾーンは、長所の裏側が作用している場合だと分かった。
なぜ、衣斐課長は、DゾーンからAゾーンで仕事ができているのか。
その理由は、ここ一年自分に強いてきたことにありました。
自分以外の人の意思決定に対して違和感があるとき、伝えない自分は言い訳をしてしまうから要注意。
言い訳をしなくてすむように考えて、決定までのプロセスにかかわるし決定後も動いてみて分かったことで修正にかかわるよう意図してきたそうだ。
気づけば Dゾーンは組織にいる人たちに共通するかもしれません。
図表 1 の仕事の見方かかわり方マップで、仕事へのかかわりを振り返ってみませんか。
【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 095」2018.7.13】