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COLUMN

いい会社づくり通信

相手になりきって現状突破の目標設定を支援する

2018.12.10岡村 衡一郎

 社長は現場社員の仕事ぶりに不満を抱いていた。
朝のあいさつは元気がないし、ちょくちょく休憩はとる。
社長が現場にいれば手を休めないが、離れてしまえばいつものペースに戻ってしまう。
「社会人としての基本ができていない」。
彼らを集め仕事とは何か、社会人とは何かのレクチャーを続けたが一向に変化のない状況にイライラしていた。

 仕事とは相手に役立つこと。
お金をもらうことと使うことの違い。
これらの視座は大切なものばかりであった。
しかし、現場社員の方々にとって、自分の仕事とのつながりを見つけて、ここを修正するというイメージを持てないまま。
話が大きすぎて、頭で理解したつもりになっても明日からのアクションにはつながらなかった。

 問題だと感じたものに手を付ければ結果もでる。
仕事のスタンスを問題だととらえて手を打ったレクチャーには意味がなかった。
社長は素直に現実に学び次の対策の模索をはじめた。概念からのブレイクダウンという成熟した大人向けの対策を止めて、とにかくムダなく働いてもらうために今日の目標を一人一人に言ってもらうことに切り替えた。

 今日は○○をします。
○○に気を付けます。
数週間続けてみたが、十分な成果につながらない。
ささやかな成果は、一人一人が自分の仕事について考えて臨むようになったことであった。
概念からのブレイクダウンでは効果がでなかった故の、個人からの目標設定という逆の手だったが、社長が望むような道のりを歩めそうにない。

 答えは現場にあるはず。
社長は注文の納期がタイトだから作業に入ると宣言し、数週間彼らの仕事をよく観察することにした。
よくよく仕事のし方を見ていると皆マイペースなように見える。
だからこそ、自覚を促すことや日々の目標を持ってもらう促進をしてきた。
「でもちょっと待て」
「彼らは自分のことを自分で見えてはいないかもしれない」

 長年続けてきた仕事の進め方に対して、何が問題なのか、課題なのか。自分一人では気づけなくなっている。
仮説が見えてくれば手の打ち方も見えてくる。
社員には「こうすることが当たり前」という認識があって見えない。
社長は現場作業をひたすら観察して、○○が○○できれば、効率があがるし、作業自体の負荷も軽減できる。
この一点のポイントを考え続けた。
メガネが変われば、課題も違って見えてくる。
社長はノートにチェンジするポイント書き留めた。

 ノートを片手にど真ん中の目標設定を決める話し合いを仕掛ける。
ここを現状突破の打開策にすえて、「○○が○○できれば、効率があがるし、作業自体の負荷も軽減できるはずだが、君はどう思う」。
社長からの考えるべきポイントを一人一人に投げかけたことで、一人一人の目が輝きはじめ場が明るくなった。
一人では見えなかった突破が見えたのがうれしかったし、社長が考えてくれたのを粋に感じた。

 マイペースに見えた集団は目標達成へ協力するチームになりつつある。
この変化の背景に相手になりきって相手目線で突破口を探し当たり前を切り崩したリーダーの支援がある。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 065」2017.11.10】