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COLUMN

いい会社づくり通信

使命はいろいろあっていい。それが多様性だから

2018.09.10岡村 衡一郎

会社の使命を明確にするのはトップの役割だ。
この考え方が一般的だろう。
ミッションに自らが仕えるのがリーダーシップの出発点という認識も根強い。
活気ある社風で全国的有名な沖縄教育出版は常識の考えのはるか上を行っている。
社員に一人一人が違う言葉で使命を表現しながらも全体としてつながり一つの方向に向かっている。
だから活力が違うのだ。

大切にするもの、目指すものはヒトそれぞれ違う。
多様性の強さは、人が掛け算になれたときに生まれる。
お客さまへのお役立ち。
沖縄教育出版の使命は、互いの価値観を掛け算にする機能を持っている。
そこにどんな意味を持たせて、何をするのか。
使命の解釈と実践はそれぞれ自由がある。
解釈が間違っているとか、こうしなさいといった指示命令などは一切存在しない。

下記の写真は、沖縄教育出版の朝礼風景の写真だ。

http://www.cha-genki.co.jp/wp/

互いの取り組みや使命の解釈、今日の目標やお客さまの声などをアグレッシブにも温かく共有している。
活力の高さをイメージしていただけるだろうか。
朝礼をするたびに元気がなくなる会社、早く終わってほしいと思いながら参加する人の方が多いだろう。
10社中9社は、会社からの点立つ事項に終わっている。

自律性の反対は他律性。
多くの企業は他律的な仕組みの中で自律性を求めている。
沖縄教育出版を訪問する度にそう感じる。
売り上げ目標の達成に向かって。
使命の実現のために。
2020年ビジョンを実現するために。
大義名分のある指針は、実は社員の自律性を奪ってしまう可能性がある。
沖縄教育出版はミッションが仕事の枠をつくり価値観を一様に染め上げていくのを嫌っているのだ。

ほかの人が決めた判断基準や目標に従っていては真に自律的な社員は生まれない。
大切なのは、自分が、どのように使命を解釈しているのかを語れる。
実現のために何をするべきかを考えられる余白があることだ。
考えて動いた結果がよければ、自己肯定感につながるし、うまくいかなければ、学びが生まれ視野が広がる。
沖縄教育出版の使命はこれらを促進するガイドだ。

使命や目標管理制度、サービスコード、会社には意義のある仕事を進めていくための道具がたくさんある。
これらの道具が一人一人の創意工夫を奪うものになっていないだろうか。
仕事は祭りだ。
仕事は芸術だ。
一体感。
この言葉の背景に、使命であるお客さまへのお役立ちに向かって、祭りのようにアグレッシブに、芸術のように個性を発揮して、最高の仕事で一体感を得ようという彼らのこだわりが込められている。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 052」2017.7.28】