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COLUMN

いい会社づくり通信

商品・サービス深化の5段階

2018.03.05岡村 衡一郎

 人の成長と同様に人がつくる商品・サービスにも深化の段階がある。
無邪気な子供から成熟した大人へ。
イメージを商品・サービスで形にすることを起点に相手に合わせ変換していく深化をたどる。

 次の五つのMD(商品構成)が深化の5段階になる。
第一段階のイメージ型MD、第二段階のMDは目玉型。
第三段階は価格帯別MD,第四段階がグレード別MDで第五段目が客層別・グレード別の多く人に適した価値を届ける大人のMDである。

 MDの型は現状の力を表している。
客層ごとにことなる欲求を最初から押さえた展開が望ましいが、多くのお客さまに接していく量のMD段階を経て質のMDへとたどり着く。
多くの人が知っているブランド商品も、地域で一番の支持を得ているお店のMDも、ある人のある5段階の実践を経てたどり着いた結果だ。

 MD深化の5段階を意図してなるべく早く上っていこうとする実践が、多くのお客さまからの支持を得ていくことになるし、自分たちにとっての最大の敵であるマンネリ打破につながる。
同じところにとどまれば即下降線をたどっていくことになる。
自社商品・サービスは、どの段階にあり次にどんな展開が必要なのか。
5段階の深化プロセスをガイドに次の一手をみつけてほしい。

 自分が欲しいと思えるものを形にしたイメージ型のMDが誰だって出発点となる。
理解してくれる近い人への販売からはじまるのだ。
そして一定の期間を経て、好みの違う人へなかなか支持されないという壁が訪れる。
この壁を突破するための工夫が目玉型、相手の目が飛び出るくらいお得感のある価格訴求よりの展開に入る。
自分のイメージは変えずに価格をいじる段階であるから、まだ自分本位とも言えなくもない。

 お値打ち感を訴求し量をこなしていく中で、忙しいわりにもうからないという次の壁が訪れる。
課題解決への試行錯誤が第三段階の価格帯別MDである。
価格の安いものから高いものまでをそろえて売り分けることで壁を突破していこうとする。
価格帯ごとに売り分ける実践は、価値の違いに厳密になるトレーニングに変わっていく。
価格だけの提示では相手は納得してくれないからこそ、価値と価格の違いを説得する必然性が生まれてくるのだ。

 価値と価格のバランスであるグレード区分を自分たちが身に付けられたことで価格帯別MDはグレード別MDに深化させられる。
98円のリンゴ、200円、500円の質の違いがきっちりと説得できる状態だ。
そしてグレード別MDは、お客さまの欲求の違いを受けた客層別グレード別MDへと深まっていく。
ジュース用に98円のりんご。
手土産用500円、普段使いの200円の違いが見え、お客さまに訴求できる。
生活や仕事の中でお客さまが求める価値と自分たちが提供する商品・サービスの連関がつかめているから、合わせた提供ができる。

 深化の5段階は、お客さまと広く深く早くつきあえる商品・サービスに深める実践。
相手に合わせた価値/価値に仕上げが肝だ。
イメージを目玉により早く。
価格をグレードにより深く。
グレードを客層により早く。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手 024」2016.12.2】