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WORKS

変革事例

お客様とともに家をつくり込む アルミックの「中古住宅・工房」

製造業  |  「業界常識を変えた事例」

 中古住宅にあえて「工房」という名前をつけているのには、理由があります。
購入されるお客様の家に対するこだわりや理想とする生活を形にできるよう、時間をかけて家をつくり込んでいく工房、という役割を担うためです。

 多くのお客様が商品を購入する際の制約条件は予算です。
予算の中で最も好みに合うものを購入しようと努力をしています。
しかし、建物と土地で1000万円から2000万円台の予算帯でこだわりを形にしようとする人へ、親身に対応してくれる不動産屋さんは少ないものです。

 要望を叶えても、販売までの時間と手間がかかる割に儲からないからです。
売り手にとっては粗利額が少ない方に分類され、お客様にとっては予算内で要望が叶えられないから購入に踏み切れない。
売り手にも買い手にも双方にメリットを出しにくい、都市部ならではの制約がある予算帯なのです。

 ここに一石を投じるのが、できるだけ希望を形にしようとする、中古住宅・工房です。
以前のアルミックの中古住宅の販売方法は、業界の他社と同様に、手直しした物件をなるべく早く売り、お金に代えるやり方でした。
ここから、工房としてお客様一人ひとりに合わせて中古住宅をアレンジするという、手間のかかる方向へシフトする決断をしたのです。

 背景には、予期しなかった失敗に直面した出来事があります。
購入後のお客様宅に1年から3年ぶりにお邪魔してみると、洋室を和室に変えて使っていた人もいれば、ガレージを改装し趣味の部屋にしている人もいました。
中には、新品のシステムキッチンを入れたのに、新品の多機能のものに取り代えている方までいました。
そして、当初言っていた予算を上回るリフォームをしている方が半数以上であることが分かったのです。

 この驚きの事実により、販売前にいろいろとお客様の生活を考えて行ってきたリフォームに対する効力のなさを痛感すると同時に、お客様の要望をかなえる仕事にシフトできれば、絶対に喜んでもらえる、唯一無二の家を提供できるという確信につながりました。

 これらの出来事がきっかけとなり、中古の住宅を仕入れてから、販売のためにきれいに手直しをする事前リフォームを最小限にして、お客様の要望を受けてリフォームをする販売方法へシフトすると決めたのです。
以前の「新築と比べて安い」という価格訴求ではなく「中古住宅・工房だから、より広く、よりお好みの家に仕上げています」とお客様へ提供していく価値を定め、訴求していくことにしたのです。

 アルミック中古住宅・工房が目指す姿は、中古住宅だからこそできる価値を届け、「理想に近づける家づくりの伴走役」です。
そして、お客様の状況に合わせてその役割の担い方に違いをつくっています。
108項目チェック済の安心中古住宅に、壁の色、床の色といったお客様の好みを反映するものから、理想の家に向け少しずつ近づけていく複数年の伴走まで。
これらの展開で、一定の予算の中でより豊かな暮らしを望まれているお客様の、さまざまな欲求のかなえ方に幅を持たせて展開しています。

 「中古住宅販売」から「中古住宅・工房」へという物売りに留まらない価値提供型の商売への質的転換で、売り手と買い手の双方に喜ばしい瞬間が増えています。
お客様に家を引き渡す日、握手を求められ「天窓のある家に住みたかったの、本当にありがとう」と感謝の言葉をもらう仕事冥利につきる瞬間も。
「5年たったら、子ども部屋をつくってください」と先の約束をもらえるパートナーとして認めてもらう瞬間も。

 以前のような、中古住宅対ローコスト住宅という価格の勝負から抜け出し、自分たちだからこそ届けられる、価値提供の質で勝てる戦いの場をつくったのです。