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変革事例

通いたくなる歯医者さんを実現 あいデンタルクリニックの「60分メンテナンス」

サービス業  |  「業界常識を変えた事例」

 岐阜県岐阜市にある、あいデンタルクリニックは「通いたくなる歯医者さん」として存在感を高めています。
10人中7人弱の方がリピーターの歯科医なのです。
生涯自分の歯で過ごすための支援役を果たそうと、院長とスタッフが一丸となり歯のケアサービスに力を入れて取り組んできた結果です。
歯科医院の商品・サービスは「治療目的」と「予防目的」の大きく二つに分けられます。
高額の自費治療を強化しているところもありますが、浅野医院長とスタッフはあえてこの逆を貫いています。

 「通いたくなる歯医者さん」を目指す背景に医院長の決断があります。
治療が終わったら患者さんとの関係がなくなることへのくやしさをバネに、寄り添い型の「一品」に力を入れ直して取り組んできたのです。
もちろん、歯の治療も歯科医の立派な仕事です。
治すことに達成感を持つ人もいるでしょう。
ただ、浅野さんはいやしかったのです。
「あ」なたと「い」つまでも、という意味を込め、あいデンタルクリニックと名付けた人ですから、おもい入れが違ったのです。

 この取り組みについて「ただの予防医療のことだよね」で話を終わらせてはいけません。
自分たちの思想を形にした「一品」である「60分メンテナンス」は、チームワークで生み出せるサービスであるからです。
メンテナンスで主役となり活躍しているのは、ドクターではなく歯科衛生士の方たちです。
歯科業界の暗黙のルールであるドクター中心のオペレーション、ドクターがボスとなる縦の関係ではメンテナンスを中心に据えることは難しいのです。
ドクターと歯科衛生士が目指す姿を実現するパートナー、横の関係でいるのは業界常識を超えたところにある強みです。

 「歯は健康の入口だ」と松下さん。「笑顔の源だ」と大本さん。「人生を左右するものだ」と熊谷さん。
一人ひとりが「一品」への哲学を持ち、患者さんとの一品の共有が、通院しない期間の歯への接し方を変えることになる、本当の成果になる、という信念のもとに「一品」を磨いています。
施術のブラッシュアップはもちろん、患者さんの生活を理解した上で有効なアドバイスができたか、もっといい関わり方はなかったか、歯と患者さんの関係の変化にどれだけ役立てたか、これらを振り返り見直しているのです。

 あいデンタルクリニックは、敬遠されがちな歯医者さんの存在を、通いたくなる場所に変えました。
日本トップクラスの予防比率65%を超えていることが存在の証しです。
そして、歯をメンテナンスする大切さに気づいてもらい、虫歯になってから来るところだけではない「通いたくなる歯医者さん」を目指した改善に手を抜きません。

 患者さんが通う度に気づきや感動がなければ、通いたくなる動機はつくれない。
これは、あいデンタルクリニックのみなさんが大切にされている仕事へのスタンスです。