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COLUMN

いい会社づくり通信

旅館・菊乃家には感動が成果指標の サービスがある ⑵

2021.11.08岡村 衡一郎

 前回は、旅館・菊乃家の婚礼が受注するきっかけについてお伝えした。
手作り感のある婚礼は、サービス改革の上で、複数コンペを勝ち抜いて選ばれた。
今回はその続編である。
松本支配人からいただメールの続きから紹介していく。

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 今回は、春田部長と片桐さんが、スマホを駆使して、ロケ写真から、ホテル出発、神社挙式を静止画や動画を組み込み、映像を作ってくれました。
食事が進み、デザートコースに入ったところで、私から、皆さまに、サプライズ映像をプレゼントさせて頂く事を伝えました。
少し前に流行った、プロポーズによく使用された BGM、ブルーノ・マーズの「Marry you」が流れ出すと、もう新婦さまはウルウル。
まさか、こういうものが作られているとも、流れるとも思われなかった皆さまも、数時間前の事を思い出し、途中から涙、涙。
時折、笑いの起こるシーンがありながらの約 4 分 30 秒。
終わった後は、感動のお言葉と大拍手。

 その後、私から、少し、お話させて頂きました。
「当初、お二人がご友人に、挙式の様子をライブ中継したい」と伺っておりました。
しかし、私たちの力不足で対応できなかったことが、ズーっと心残りで気になっており、せめて、DVD にしてプレゼントさせていただこうと、春田が作らせていただきました。

 それを聞いた新婦さまは、号泣。
私も涙が出てきそうになったため、「春田よりも一言、皆様に挨拶させていただきます」と無茶振りを。
急に振られた春田部長は、「えっ、あの~…。松本に付いて、直接お受けした祝宴を勉強し始め、最初にお会いしたお二人でして…。力不足でしたが…」
そのあたりから、春田部長も涙声に。
「もううれしくて、言葉になりません。スミマセン」と号泣。

 ご家族のみのご祝宴といえども、力を抜かず、衣裳や美容打ち合わせに 2 度、3 度、広島市内に足を運び、お二人が、われわれに、色々と気遣って下さったことを思い出して、涙が出て来たのでしょう。
お喜びいただけるものと分かりながら、ここまで感動して下さるとは、予想できなかった終わり方でお開きを迎え、私も本当にうれしく思いました。

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 春田部長は、ここ半年間、お客さまの所に足を運び、ていねいに企画とサプライズを考えてきた。
だから、サービスする側とされる側という関係ではなく、お客さまと一緒の方向「最高の式にする」を向けていたのでしょう。
二人三脚で人生の節目となるセレモニーをつくりあげていく。
本来は婚礼というのは、こういうものかもしれません。

 松本支配人からの台本にない急な振りにも対応できて、その姿をお客さまが喜んでいる。
企画を徹底的に準備しているからこそ、企画外の対応がどんどんできていく。
このチームの強さは、婚礼だけに留まりません。
宿泊や宴会でも、日常的に行なっています。

 旅行に訪れている理由が分かれば、その理由を演出するささやかなプレゼントを手作りで準備する。
宴会の主催目的を事前に把握して会場の設えをささやかに工夫。
これらの相手になりきって、うれしいだろうと思えることを形にできるチームを松本支配人はつくってきたのです。
次回へ続く。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 218」2021.4.16】