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COLUMN

いい会社づくり通信

旅館・菊乃家には感動が成果指標の サービスがある⑴

2021.11.05岡村 衡一郎

 宮島の旅館・菊乃家・松本支配人から嬉しい便りが届いた。

 とても嬉しく、旅館業の方々を元気づける内容だと感じた。
すぐに松本さんに「コラムに書かせてほしい」とお願いし快諾いただいたので、今回から複数回にわたって、必要に応じて間に解説を入れながら、原文のまま紹介していきたいと思う。

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 昨日、プロデュース会社経由ではなく直接受けた婚礼会食が、約 10カ月振りに行なわれました。
コロナウイルスの影響で、あれほど毎日挙式があった神社挙式が少なくなり、プロデュース会社との競争がより激しくなり、本当に久し振りでした。

 お二人が、お越しになられたのは、昨年の 9 月。
以前から、「直婚礼を覚えたい」と話していた、春田部長と一緒に会いました。
話の中で聞き出したお二人のリクエストは、「コロナ禍で呼べない友人にライブで結婚式を見て欲しい」というもの。
しかし今、お取引している会社では、共に特殊な機材を持っていなく、外注費にかなりの費用が掛かることが判明。
その希望は断念されました。

 その後、ZOOM での 2 社のプレゼンを受けられ、最終的に菊乃家にお決めいただきました。
システム化されたウエディングより、手作り感のあるわれわれの方が、お二人にフィットしたようです。
そして、約半年の打合せ期間を経て昨日を迎えました。
プロデュース会社経由の場合は、先方のリクエストを実行するのが中心になりますが、直婚礼では、人間関係の出来ているお二人に何か喜ばれそうなサプライズを用意しております。

 今回は、春田部長と片桐さんがスマホを駆使して、ロケ写真から、ホテル出発、神社挙式を静止画や動画を組み込み、映像を作ってくれました。
食事が進み、デザートコースに入ったところで、私から皆さまに、サプライズ映像をプレゼントさせていただくことを伝えました。

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 松本さんの口癖は「サービス業の成果指標は相手の感動だ」と、いつもメンバーに伝えている。
サービス業はサービスをするのが仕事である。
一見、当たり前に感じてしまうかもしれないが、この一点に向かって束になるチームを私はあまり知らない。

 今回の婚礼プロデュースで実際に何をしたのかは次回以降で紹介していくが、感動に向かって一丸になれるチームがすぐにできあがった訳ではない。
厨房と接客の壁、効率とおもてなしの間での悩み、ライバルとの価格競争。
これらの問題も当然、菊乃家でも例外ではなかったからだ。

 松本さんが 3 年前に着手したサービス改革は、ポジションに関係なく、お客さまの名前をお呼びしていくこと、お客さまのリクエストには基本すべて「Yes」で応えることだった。

 地道なサービス改革の上に婚礼プロヂュースはある。
次回へ続く。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 217」2021.4.9】