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COLUMN

いい会社づくり通信

~パークホテル東京の快進撃 5/5 中心が決まれば「革新を共にする仲間」は増え続ける

2020.01.14岡村 衡一郎

 現場の知恵から生まれたアーティストルーム「相撲」でしたが、 当初は、プロジェクトメンバー以外からは冷ややかに見られていました。
特に販売を担当するマーケティンググループは、1部屋だけを販売する難しさを繰り返し指摘して、現実味が乏しいと動こうとしません。

 しかし、プロジェクトメンバーが中心になって売っていこうと話を進めていきます。
他グループに頼らずPR活動を開始したのです。
フロントで、宿泊係がお客さまにアップセル(ある商品の購入を考えているお客さまにほかのものをすすめること)するのはもちろんのこと、ホームページも作りました。
自分たちでマスコミリストを作り、プレスリリースも出しました。

 パークホテル東京の面々は、「日本の美意識が体感できる時空間」というコンセプトの実現を目指して、いろんな試行錯誤を重ねていきました。
企画を作った人が売り、企画を売った人が手直しする。
そのときにお客さまの反応を見て、PRのために「日本の美意識」を下敷きにして、言葉を紡ぐ。
この一連のプロセスを、パークホテル東京の一人一人が多能工的に進めていきました。

 2017年、パークホテル東京は、「ジャパン・ツーリズム・アワード」で大賞に次ぐ国内・訪日領域の領域優秀賞に選ばれました。
旅行者にもたらすインパクトのある取り組みが評価されたのです。
その目玉となったのは、「アーティストルーム」の数々ですが、それだけが称賛されたわけではない、と私は考えています。

 ホテルなどの施設産業では、オープンした日が一番いい状態にあるところが少なくありません。
しかし、パークホテル東京は、いつ出かけても新しさが加わっていて、今日が一番新しいホテルになっています。
第一線に立つスタッフ自らが「自分たちのホテルが『日本の美意識が体感できる時空間』になるには?」という問いを立て、新しいサービスづくりに日々取り組んでいるから、革新が続くのです。

 外部の200名ほどのアーティストや画廊、デザイナーや業界関係者など─パークホテル東京の発展を考え、動きを共にするメン バーの力も大きな原動力になっています。
新しいことに取り組むには、新しいアイデアや新しい体制が必要です。
パークホテル東京のメンバーは、そうした情報やホテルへの思いを歓迎し、感謝し、とても大切にしています。

 いつも新しい自分たちでいるのは、 難しいものです。いつもと同じメンバー で考えて進めようとしていては、刺激がなくなり、マンネリになっていきます。
パークホテル東京は、そうではありません。
今もアイデアを出し続け、毎日新しさを加えています。
みんなの力で、常に新しさがあるホテルとして革新していく大切さを、プロジェクトメンバーは知っているのです。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 116」2018.12.28】