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COLUMN

いい会社づくり通信

一つ道具で仕事は変わる

2018.12.25岡村 衡一郎

 たった一つの対策で仕事は変われる。
今回、梅田課長は最小の打ち手で最大の効果が得られることを証明してくれた。
モグラたたきのような対策では刹那的な回復にとどまっていくし、根っこを押さえた施策は複数の問題を一度に解決していく。
梅田課長の考案した仕事丸見えボードは、技術グループの日々の問題を早期に解決し、課題創造の取り組みを加速させている。

 アルミックイマイで活用されている仕事丸見えボードの特徴は三つある。
一つ目は、10日間先までメンバーの仕事とスケジュールが全員共有できること。
二つ目は、メンバー全員の目標が分かること。
三つ目は、今のモチベーションを素直に★マークでシェアできること。
四つ目は、すぐに見られる場所に置いてあることだ。

 CAD に向き合った一人の作業が中心の上、力量が違えば作業スピードも違うので標準時間を設定しにくい。
外から何をしているかが見えないから適時のアドバイスをしづらい。
技術者中心の職場では、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をしている所より、黙々と作業を行なっている所が圧倒的に多い。
チームで仕事を進めているより、一人作業が一般的な傾向である。

 仕事丸見えボードは、アルミックイマイの技術者グループにとって、オーケストラの楽譜のように、なくてはならない道具になっている。
ボードを活用する前は、全員での共有の試みも道具がないから、司令塔と指示を受けるメンバーの関係で仕事は進められていた。
互いに突っ込みあうという梅田課長の理想イメージには行きつかなかった。

 アグレッシブで温かい職場づくりを、梅田課長はあきらめなかった。
試行錯誤の上にたどり着いたのが、仕事が見えて、目標が見えて、困りごとの随時相談を促進する仕掛け、仕事丸見えボー
ドだ。
技術グループのメンバーは、1 回 15 分、1日 2 回から 3回ボードの前に集まってお互いの状況を確認しあう。
問題はその場で解決し、仕事の遅れは全員でカバーする。

 ボードを囲んだミニミーティングの繰り返しは、多くの問題をその場で解決する習慣をつくり、次の課題の創造力を高めることにつながっている。
一人で考えるより、その人になりきってその問題解決の方法や、未来への課題を考えるから、対策の精度はより質の高いものになっていくのだ。

 更に、技術グループでの取り組みを全社的に広げるために検討しているオフィスレイアウトである。
技術の問題や課題を一枚のホワイトボードが解決していったように、全社全部門にまたがる問題や課題を、図面の真ん中にある円形の議論空間に集まって瞬時に解決をしていくのが、梅田さんの次の目標である。

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 067」2017.11.24】