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COLUMN

いい会社づくり通信

互いの成長にかかわる関係をどう築くのか

2018.08.20岡村 衡一郎

 最近の若い人の考えが分からない。
仕事へのハングリーさに欠ける。
これらは大なり小なり20代社員へいだく課長や部長のもやもや感であろう。
昔のように厳しく接することもできないし、「見て盗め」や「徹底的にまねてみる」も死語になりつつあるのだろうか。
だからと言って、上司と部下が相互に成長する関係を築いていなければ、会社の成長は止まる。

 成長し合える関係は、図1の④にある共感の関係だ。
共感関係に深められれば、部下も伸びる。
上司だって、真剣にかかわる瞬間の言動に磨きがかかり、成長の踊り場から抜けられる。
今の若い人はこう考えているだろうという部長。
部長にはなるべく近づかないで指示されたことをやろうという部下の関係が図1①の頭と頭の頭感関係。
そこを抜けだす肝が映感だ。

 映感は部下の仕事に対する問題提起を含んだフィードバック、相手の成長を真に考えた上で「こう見えるかどうか」とかかわっていく動作になる。
上司の意見を押し付けるのではなく、相手本位で受け取れるギリギリのところに投げかける。
部下が自分を振り返るきっかけをつくれるか否かが勝負の分かれ目だ。
映感から痛感へ、少し痛い感じが成長の芽をつくる。

 言われてみればそうかもしれない、考えてみればそうだといった感覚は課題を模索する出発点になる。
繰り返しになるが、上司からのフィードバック、映感が上司の思う通りに動かすためだったなら痛感にはいたらない。
ただ苦言になり頭で分かったふりをする頭感関係にとどまる。
上司の成長は、映感の質を高める実践、真剣に相手を感じ投げることで促される。

 頭の関係である頭感では互いに何も生まれない。
映感は上司の思い通りの動きを促すものでは、相手のセンサーに触れないから関係は深まらない。
お客さまにとってと相手にとっての重なり合うところでの投げかけは、痛感に変わる。
頭感からの映感は、上司が成長するためのアクションになる。
痛感は部下が成長を考える起点になる。
そして、通案から共感関係へ。

 共感という言葉にはさまざまなイメージがある。
仕事での共感関係は、自分の成長課題を共に真剣に考えてくれる人と、課題を解決していこうとする人の前を向いた真剣勝負の取り組みだ。
最近の若い人の考えが分からない。
仕事へのハングリーさに欠けると言う前に、お客様にとってと相手にとっての重なり合うところの課題は、その人にとっての何なのかを考え抜こう。

 相手のため、お客さまのために真剣に考えた上でのフィードバックは、相手の一歩を引き出す先輩社員の成長課題であり、後輩の成長課題は自分一人で見つけられる人は少ないものだ。

049図11

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手-Part2 049」2017.7.7】