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COLUMN

いい会社づくり通信

なぜ問題が解決していかないのか

2018.08.14岡村 衡一郎

 事業や組織には問題はつきものである。
問題のない会社はおそらく1 社もないであろう。
大切なのは毎年新しい問題解決に着手できているかどうかだ。
なぜなら会社にとっての問題は問題があることではなく解決していかないことにあるからだ。
テーマを変え取り組んでいるように思えても今までと同じところでつまっているケースが決して少なくはない。

 以前の N 社がそうであった。
おととしの年度方針は「顧客満足に力をいれる」、去年は「顧客満足の最大化」、今年は「顧客とパートナーになる」。
顧客満足をぶれずに追求しているという見方もできる。
実際は全社的 CS 向上の取り組みが、なかなか定着しない状況を表していた。
年度方針とは別に、大切にしているものの方へ、仕事の力点があったのである。

 A 面が顧客満足の追求で、B 面が営業マン一人一人のノルマの追求。
A 面が一丸になって取り組もうで、B 面が与えられた役割をたんたんとこなす。
B 面が仕事のし方を規定し年度方針は絵に描いた餅になっていた。
図 1 にあるように N 社の根っこにある問題は解決されないまま、氷山の上に表れる問題への対処で徐々に業績と社員のやる気は下降線をたどっていた。

 問題解決が上手な会社は、「やり方」より根っこの「在り方」のズレに焦点をあてる。
N 社の CS への取り組みがかみ合わない原因は、一人一人が持ち分をこなし業績を上げるという、右肩上がりの時代に通用した仕事の価値観にある。
担当営業マンのやり方に依存する。
お客さまの状況に思いをはせられない製造。
これらを変えなければ、CS は上滑りをする。

 N 社は、全社員がお客さまに思いをはせられる、お客さまを向いて一致団結できるチームになるために「在り方」のズレを修正していくことを決めた。
まず手はじめに年数回行なってきた展示商談会を在り方から考えたとき、どんな場であるのかを見直した。
今までは「商談をする場」これからは「お客さまと一緒に作戦を立てる場」に少しでも近づけるように手を打った。

 営業マンのみで配っていた招待状を会社が送付する。
営業と一緒に製造がお客さまを回り来場を促す。
同時に困りごとを聞き、展示会の内容を見直し、総務部が来られるお客さまの顔写真を見て名前で呼べる準備をして出迎えをはじめた。
結果、過去最高の満足度で展示会を終えることができ、数日間かもしれないが、全社でお客さまを考えて手を打つ機会となった。

 数年がたち N 社は、販売店とタッグを組み商売ができるメーカーへと自社の在り方をシフトさせつつある。
問題や課題は当然あるが、去年とは違う問題解決に取り組んでいる。
これらの本質的な解決ができるようになってきたのは、図 1 の氷山の水面下に目を向けられるようになったのが大きい。

048図1

【HOTERES「サービス・イノベーション 48手 048」2017.6.23】